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「建国記念の日」
まだまだ肌寒い日が続く本日2月11日、千葉県船橋市では晴れやかな天気に恵まれて心地よい「建国記念日」を迎えました。
当院は2008年2月11日、「建国記念日」にその歩みをスタートさせました。
毎年やってくるこの祝日が「あいむ動物病院 西船橋」の一年の始まりと終わりを告げてくれます。「建国記念日」は、私たちにとっての「開院記念日」でもある特別な祝日です。
特に今年はその10回目の節目を迎えた感慨深い年に当たります。
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ここで、ちょっと話題が横道にそれますが、2月11日を「建国記念日」だというのは日常会話の表現上では間違っていないものの、この祝日の本来の意味からは誤りでもあります。
実はこの祝日の正式な呼び名は「建国記念の日」だそうですが、多くの方にとっては「建国記念日」じゃないの?という認識ではないでしょうか。
カレンダーには必ずそう書いてあるそうですので一度確認してみるといいかもしれません。
私自身、「建国記念日」が当院の「開院記念日」なんだよね、などという語呂合わせをしていたくらいですので知りませんでしたし、”の”がついているかどうかなんてまったく気づきもしませんでした。
日本人を40年以上やっているにもかかわらずです。。。(笑)
実はこの「建国記念の日」の、”の”が入ることよって、この祝日にまつわる”深い”意味が表現されているということらしいので「建国記念の日」について、ブログを書きついでにちょっと調べてみました。
「建国記念の日」は「国民の祝日に関する法律(通称は祝日法)」という法律に基づいています。昭和41年(1966)の法改正によって”建国をしのび、国を愛する心を養う日”として定められました。
祝日に指定されている2月11日は日本の初代天皇とされている神武(じんむ)天皇の即位日、紀元前660年1月1日(旧暦)を新暦に換算した日付だそうです。
この法律の制定以前、明治時代にはわが国には既に「紀元節」と呼ばれる建国を祝う祝日がありました。ところが、この紀元節は第二次世界大戦の敗戦後のGHQ統治下において、天皇制への求心力を奪う一連の流れの中で廃止されることとなります。
終戦から昭和41年に「建国記念の日」が国民の祝日とされるまで、随分と長い期間を要したのは、我が国の戦後を形づくってきたイデオロギーや政治的対立による紆余曲折があったためです。
いわゆる右派の推進勢力に対して、「紀元節」の復活に異議を唱える左派勢力などの反発、神武天皇の存在の真偽性や日本国の起源が歴史的に証明されていないという学問的な問題などが原因のようです。
結果的に、他国のように日付や由来の明確な「建国記念日」ではなく、いつどのように建国されたかどうかは不明だけれども、そこは曖昧なままにして”建国されたという事実を記念する日”という意味を込めて「建国記念の日」としたとのことですが。。。
おそらく、多くの方にはその意味合いの違いは???かもしれません。
不毛な論争を、結果的に”の”を付ける付けないという表現上の妥協により実質を変えずに解決したようにも見えるのですが、良くも悪くも我が国らしい既視感のある意思決定のプロセスの結果なのでしょう。
結局、”の”がついていることにそれほど深い意味はないんじゃないかと思うのですが。。。
まあ、こうした背景にはそもそも「日本」という国が太古の昔より根本から途絶えることがなかったために、国の成り立ちを明らかにするには神話のレベルにまで遡る必要があるということでもあるでしょう。
建国の過程や時期が確定できないほど長く続いている世界的に見ても稀な国ということですから、これはこれですごいことではあります。。。。
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このブログの趣旨はどこへやら、話があらぬ方向にそれてしまいました。
当院もまた、この国の建国を祝う日にスタートし、悠久の我が国の歩みには時間も、規模も遥かに及ばない塵以下分子レベルの存在ですが、それでも一年ずつその歴を重ねられることに感謝し、それを励みとしています。
現在に至るまでたくさんの飼い主様、地域の皆様、さまざまな関係者の方々に支えられてまいりました。今後も引き続き、多くの飼い主様やその家族の一員である動物達とのかかわりを持たせて頂くことができることと信じております。
スタッフも20名を超えるような動物病院としても大所帯になりましたが、常に初心を忘れずに今後も地域に必要とされる動物病院を目標にスタッフ一同、努力を重ねてまいりたいと考えております。
あいむ動物病院 西船橋
病院長 井田 龍
スタッフ一同
皆既月食
2018年1月31日夜、「皆既月食」としてはおおよそ3年ぶり、近年に発生した月食の中でもかなりいい観測条件で日本全国で見られました。
ということで、またまた全く動物病院とは関係ない話題です(汗)。。。
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今回の皆既月食は翌日にはテレビのニュースなどでも頻繁に取り扱われておりましたのでご存知の方はかなり多いのではないかと思います。
実際、今回の皆既月食をご覧になった方は地味でマイナーな印象を免れない天体現象としてはもちろん、月食というなじみ深い現象に限ってもずいぶん多かったのではないでしょうか。
我が家の周りでは、人通りもなくいつもは静まりかえっている寒い夜のはずでしたが、その日だけはあちこちで月食を見ている家族の団欒の声が聞こえていました。
ところで、今回の皆既月食の何がそんなにいい条件だったかというと。。。
まず、月食の初めから終わりまでがおおよそ21時から3時間、月が赤銅色に染まる「皆既食」がおおよそ22~23時の間と、まだ多くの方が”起きている時間帯”に起きたことです。
月食が深夜から明け方にかけて起こるような場合も多いのですが、確実に翌日に響きますので、かなり気合の入った人しか見ることはないでしょう。何時に始まり何時にに終わるかというのは実は大きな問題です。
また、今回の「皆既食」は1時間17分も続いたため、夕食後にのんびりとその時間帯に空を見上げれば見ることができるという、観察のための時間調整があまり苦にならない皆既月食だったということもあるでしょう。
ちなみに前回2015年の皆既食は今回よりかなり短い12分でした。千葉県船橋市では厚い雲に阻まれて見えませんでしたが、もし晴れていたとしても”ちょっとトイレに行っている間に終わっていた”、などという残念なシチュエーションも充分に考えられます。
さらに、今回の皆既食がちょうど空を見上げるような高さで起きたため、お月様を遮るような障害物に邪魔されずによく見えたことも幸いでした。
月食が低空で起きた場合には建物などが多い場所では観察しにくいものです。
特に月が欠けたまま地平線から出でてくる「月出帯食(げつしゅつたいしょく)」や、欠けたまま沈む「月入(げつにゅう)帯食」など、情景的にはなんとも美しいのですが、都市部で建物が少なく地平線がよく見える場所を探すのはなかなか。。。
つまり、今回の皆既月食はテレビ番組に例えれば”皆既月食”の視聴率が高くなるようなゴールデンタイムに起きたということと、その他にもお手軽に見やすい好都合な条件が整っていた月食だったというところでしょうか。
ところで最近、何かと満月に対して”〇〇〇ムーン”という何か特別感を醸し出すようなネーミングで伝えるということが、様々なメディアで流行っています。
それに倣えば今回の皆既月食はいつもより大きな満月、”スーパームーン”、かつ1月中の二度目の満月、”ブルームーン”、皆既食による赤い満月、”ブラッドムーン”が重なった35年ぶりのレアな満月という現象となるため、話題性にも事欠きませんでした。
皆既月食という特別な天体現象が時流に乗ってレアな”満月の一形態”に分類されてしまうとはなんとも複雑な気持ちですが。。。
まあ、「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」見たぜ!などとSNSで盛り上がって楽しむような、皆既月食という天体現象とはやや趣の異なる裾野の広がりも、またアリなのかもしれません。
本題に戻りますが、下の図が今回の皆既月食の月の位置とその移り変わりを示すものです。
(※)このブログに挿入している写真以外の図や動画は国立天文台、天文情報センターのサイトから転載させていただきました。
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ところで、「月食」とは何でしょうか?
お月様はだいたい27日くらいで地球の周りを回っています。
この間に地球から見た太陽との位置関係で月の満ち欠けが起こるのですが、満月のとき、つまり「太陽→地球→月」の並びになった時、たまたま月が地球の陰に入ってしまうことがあります。
つまり満月なのですが、太陽の光が地球が作り出す影により月に当たらなくなってしまう限られた時間に起こる天文現象が「皆既月食」です。(下図)
地球が作り出す影は太陽の反対側に長く伸びています。上図のように、この影は薄い半影と濃い本影からから成っていますが、月が本影に完全に入り込んで隠されてしまう現象が皆既月食と呼ばれる現象の正体です。
月食にはいろいろなタイプがあり、月が本影には入るものの完全に入り込まずに一部が欠けるだけの「部分食」、本影の外側にある淡い半影にしか入らないため、一見欠けていることすらほとんどわからない「半影食」なんていうマイナー現象もあります。
やはり世間やメディアが注目するには、”最低でも皆既月食”でしょうか。。。
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ところで、今回の皆既月食では月が下の図のように地球の本影に入りました。
皆既食の時間が長く観察しやすかったのは、お月様がこの本影の中心に近い部分までそれなりに入ったためで、陰の中心へ入り込む度合いが大きいことを食分が大きいといいます。逆に皆既食が短い場合には食分は小さくなります。
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下の4枚の写真は1月31日、私が千葉県船橋市で撮影したものですが、2時間近く適当に200枚くらいとった中からピックアップした皆既食の最初から最後までの経過、ざっくり4枚です。
まず、左下から段々と欠けてきた部分食がもう間もなく月を隠そうとしている写真です。月の陰になっている部分が次第に赤っぽく見えるようになってきました。
月が完全に本影の中に入って皆既食が始まりました。まだ右上に月の明るい部分が残っています。
皆既食真っ最中、皆既食の最大からやや経過した時点の月で、赤銅色といわれる美しい月の色が何とも言えない変化を見せてくれています。この後、次第に下側が明るくなってきます。
皆既食が終わった直後、月の明るい部分が覗いてきました。この後、月は急速に満月の明るさを取り戻していきます。
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ところで今回、たくさん撮った写真を後で見てみると、そのうちの何枚かに何やら青色の帯のようなものが月の明るい面と赤い地球の陰の間に見えるじゃありませんか。ちょっとブレてしまいましたがおわかりでしょうか。。。(下写真の黄色矢印の先)
この青いのは一体なんだろうかとネットで調べてみると、どうやらこれは近年ターコイズフリンジと呼ばれるようになった現象が映り込んだもののようです。
”ターコイズ”とはトルコ石の”鮮やかな青空色”を表す言葉で、フリンジとは”房飾り”が転じて?この場合には”周辺”とか”外縁”という意味合いでしょうか。
実は、近年のデジタルカメラの普及によって撮影されたデジタル画像においてこのターコイズ・フリンジが頻繁に観察されるようになり、その神秘性も相まって注目される現象になってきたということです。
当初はデジタル画像の処理に伴うものだとかフェイク画像だという指摘もあったようです。その後、2008年にNASAによってその現象が提唱され、ターコイズに例えられる光のスペクトル分析によって実際に起こっている現象であるということが検証されたということです。
ターコイズ・フリンジ現象の原因は地球大気の高層にあるオゾン層を太陽光が通り抜ける際に赤色が吸収された後の青い光が月面に達し、地球の陰を囲むように淡い帯状に見えると説明されています。
実際には地球の青空の色がそのまま投影されている訳ではありませんが、皆既食の一瞬に、”地球の青で月の大地が染まる”というのはとても美しい情景ではないでしょうか。
月面から見ると、地球によって太陽が完全に隠される直前に青から緑、次第に赤色で周囲が満たされていく美しい光景が広がるのではと想像します。。。
デスクの上に、たまたまですが随分前から飾ってあったトルコ石がありましたので撮影してみました。ターコイズブルーとは、このとてもキレイな青空色のことです。
次回の皆既月食はなんと約半年後、今年の7月28日だそうで,、明け方の西の空で皆既食のまま月が沈んで日の出を迎える「月入帯食」になるようです。
今回と比べると観察難易度は寒さ対策以外には随分と高くなりそうですが、皆様いかがでしょうか。。。
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文責:あいむ動物病院西船橋 病院長 井田 龍
待合室の「音」
開院から10年弱使用してきた待合室の「音響設備」を刷新いたしました。
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音響の追求などというものは、オーディオ好きの方以外には気になる部分ではないかもしれません。さらに医療器具、機械でもありませんから獣医療の質にはまったくと言っていいほど関わらない代物です。
動物病院の内装工事では音響設備の優先順位は当然低く、特に要望しなければ最低限のコストと品質のやっつけ仕事で設置されます。さらに壊れない限り使い倒されるような設備ですので、設置後の設備投資など考えることもない案件です。
当院の音響設備も御多分に漏れず貧相なものでした。。。
日ごろから”天井スピーカーがもうチョットいい音で鳴らないかなぁ?”と気になっていたこともあり、いっそのこと、動物病院における望ましい音響とは?ということを目標に院内環境の改善のひとつとして一から作り直してみることにしました。
オーディオ好きであれば、リスニングルームで様々な機器の組み合わせが作り出す音場(おんじょう)とか音像定位(おんぞうていい)とかいわれるものを詰めていく作業を行うと思います。
これはスピーカーやアンプの種類や相性だけでなく、スピーカーケーブルやプラグ類の細部に至るまでの組み合わせや調整の果てしない?試行錯誤を行うことであり、いわゆるオーディオマニアのこだわりをこじらすと車を買う、さらに家を建て替えるほどの大変な出費になるとかよくいわれます。。。。
ところで、そうしたマニアの世界感はちょっと横に置いておいて、動物病院の待合室で目指すべき音響環境とはどういったものなのか、考えてみました。
動物病院には予防から病気、短時間の診察から診断に時間を要する検査を受けたり、時には一刻を争う緊急状態まで、その切迫度が異なる飼い主さんや動物達が滞在時間もさまざまに出入りいたします。
つまり、患者さんの出入りに伴う喧騒、待合室内外からの動物の鳴き声、機械音などの雑音だけではなく、周囲の会話やひそひそ話など低レベルの雑音などによって、待合室は多種多様なノイズで溢れかえってしまうことになります。
こうした様々なノイズは滞在する方に幾重にも襲いかかってきます。動物病院を利用される方は様々なレベルのストレス状態にあると思われますが、その悪化要因の一つであるのは疑う余地がありません。
一方で、単に静かでさえあればよいというものでもなく、多くが滞在する場所で他人の静かな会話や吐息が聞こえるような環境であれば、逆に緊張を強いられるものです。
動物病院というのはさまざまな種類の喧騒による音的なストレスの強い場所というだけではなく、喧騒から無音に至るまで、その変化の激しい場所と言えるでしょう。
また、当院では大型車両もひっきりなしの交通量の多い国道14号線に面し、そうした外部からの騒音も考慮に入れなければなりません。
さらに、受付では患者さんごとのセンシティブ情報も扱うため、そのような小さくとも周囲が敏感に反応する音源によるノイズも多く発生します。静かな待合室内での会話やひそひそ話なども含まれますが、こうしたいわば心理的なノイズと言えるものへの対処も重要です。
つまり、動物病院待合室では人や動物達による喧騒などの大きなノイズだけではなく、無音~静かな環境で周囲に影響する低レベルの心理的なノイズも併せて、環境音とBGMによって無意識的または意識的に傾聴を促すことで周囲と音響的な切り分けを行うという考え方が大切ではないでしょうか。
このようなことを考えていくうちにですが、オーディオ好きのこだわりには到底及ばないとは思いますが、その方向性とは異なる別な切り口の音響環境を作ることもなかなか正解の出難い作業だと気づかされました。
書きたいことは他にもあるのですが、よりよい音的環境をつくるために今回はプロにお願いすることにいたしました。もちろん、動物病院の事情はよく説明して、こちらの要望をできるだけ反映させて頂いたつもりです。
通常はできるだけ「音」の存在感を押し出さないというのが滞在者のリラクゼーションが求められるような、変化の少ない静かな部屋で目指すべき環境です。
一方で、動物病院はどうあるべきかということを考えた結果、今回は待合室のどこにいても騒がしくなく、かといってその存在感を強くアピールするような音場感を目指しました。
結果、今までは天井で細々と鳴っていたスピーカーが頭上1メートルほどのところに降りてきたような感じになりました。
待合室内にいらっしゃる方は無意識にでも頭上にある音に集中することによって周囲の雑音から遮断されやすくなるため、煩わされにくくなったようにみえます。(今のところは個人的感想の域を出ていないかもしれませんが。。。)
もちろん”音”としての品質向上に関しては言うに及ばず、”モゴモゴ”、”もやもや”して聞こえなかった低域のドラムや高音のハイハットの音がきれいに聞こえるようになりました。ストリングスの空気感というか臨場感も申し分ありません。
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設置したスピーカーは、誰にでも分かりやすい「メリハリのよい音」を奏でる定番メーカー「BOSE」の大型天吊りスピーカー「DS100F」という製品です。
設置しやすさと軽さが重視される店舗用天吊りスピーカーというのは重くとも1Kgに満たない「皿に盛ったライス」のような形状ですが、このスピーカーは重さ約6Kgとヘビー級、幅と奥行がそれぞれ30cmくらいの巨大な代物です。
言うなれば6リットルの”水が満たされた取っ手の外れたバケツ”そのもの。
すごく重いです。(笑)
当然、当院の天井高にはオーバースペックな製品で、納品された箱の大きさにビックリ、こんな大きなものを石膏ボードの軽天井にのせられるのだろうかと心配しておりましたが。。。
下の写真に写っている人物は今回の一連の作業を請け負っていただいた宮下さんです。
この”どでかい”スピーカーを前にして、”やるぞ!”という雰囲気が滲み出ているように見えませんでしょうか。とにかく、延べ3日もかけてこれらを6つも天井に上げて設置していただきました。
当初、スピーカー重量と大きさが予想していた天井強度と設置スペースを上回ってしまったため、メーカー指定の補強材料と施工方法では設置が難しいという状況になってしまいました。
安全かつ音に問題が起きないようにするためには想定外の天井補強が必要になってしまい時間がかかりましたが、作業中にはプロの意地とプライドを随所に見せていただきました。
ご来院の際には待合室でちょっとだけ注意を向けていただいて、しばし流れゆくBGMに耳を傾けていただければと思います。
皆様のご意見をお待ちしております。
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文責:あいむ動物病院西船橋 病院長 井田 龍
スーパームーン
皆様、新年あけましておめでとうございます。
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2018年を迎えた首都圏のお正月は久しぶりに好天に恵まれ、3が日はほぼ雲一つない快晴となり、空も澄んできれいなお月様を拝むことができました。
下の写真は年初の1月2日に千葉県船橋市で撮影しました、今年最初で「最大」の満月、いわゆる「スーパームーン」です。
ところで今回のテーマですが、新年の勢いに乗って動物病院の話題とは全く無関係のない「お月様」の話題です。。。(汗)
他にも天文現象の際に書いてますのでよろしければどうぞ。
>金環日食(2012/5/20)
>金星の太陽面通過(2012/6/6)
>皆既月食(2018/1/31)
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ところで、冒頭の「最大」の満月って?満月はいつも最大なんじゃないの???などと思われた方もいらっしゃるかと思います。
実は今年1月2日の満月は、近頃よくネットニュースなどで見かける「スーパームーン」と呼ばれる満月でした。
実は、このスーパームーンという呼び名は正式な天文学の用語ではありません。その言葉や定義や使い方ははっきりとは決まっていないようですが、いつもより”大きくて明るい満月”という意味で使われることが多いのではないでしょうか。
この用語はどうも1970年代後半に占星術から入って来たものらしく、巷に広まり始めたのはまだ最近の話のようです。特に、ここ数年くらいの間に「スーパームーン」という用語をしばしば耳にするようになってきているように思います。
おそらく、"ネタ映え"するものであれば何でもオーケーのネットメディアなどがこういった現象や用語を盛んに拡散してきた結果なのかもしれません。
その結果として、今まで”ただの満月”でしかなかったものに、このスーパームーンというなんとも特別感が漂う表現によって、わずか数年で「中秋の名月」に迫るほどの結構な付加価値というか、箔がついてしまったかのようです。
普段、夜空なんか到底見ないような人に突然、”今日はスーパームーンなんだぜ”とドヤ顔させる程の力強いネーミングセンスとネットの拡散力の見事なコラボレーションの成果といったところでしょうか。
何やら天文現象というよりむしろネットやSNSの普及に伴う社会現象とかブームの類のようにさえ思えてきます。。。
さらに、近頃ではスーパームーンに願い事とか、最大進化した「エクストリーム・スーパームーン」などという何かの必殺技のようなカテゴリーも登場しています。
スーパームーンの○月●日に天変地異が、などというオカルト系もその勢力を拡大し、ネタ素材としての熟成度を一層高めようとしているかのようです。。。
とにかく、たくさんの人々を引き込んでSNS映えするような写真を投稿させたり、”へぇー”と思いながらとにかく月に視線や関心が向いたことは間違いないことですから、些細ながら社会を明るくするような現象のひとつといえるのではないでしょうか。
その「スーパームーン」ですが既に多くがご存知の通り、それは地球の周りを回る”月が地球に最も近づいた辺り”で見られる満月のことを指します。
実際のところ、どこまで普通の満月でどこからスーパーなのかという”決まりは特にない”、なんてことはおそらく誰も気にしていません。
また、月が近いとか遠い、ということにあまりピンとこない方も多いとは思います。実はこの大宇宙では何かの周りを回る天体の描く軌道はほとんどが楕円形なため、そういった天体間の距離というものは通常は一定なものではありません。
いつも同じ大きさを保っているように見える月も多くの例にもれず、実際には地球の周りに緩やかな楕円軌道を描いています。地球と月の距離がそれによりどのくらい変化するかというと、約35万6千~40万6千Kmとその差約5万Kmとなりますが、日常生活からあまりにかけ離れているためそれをイメージすることは難しいかもしれません。
数年落ちの中古車がかなりがんばって走り切った距離?だいたい地球一周ちょっとくらいの距離?どうもすっきりしません。
詳しく知りたい方は下のリンクがわかりやすいのでぜひご覧ください。
冒頭の月の写真を合成して月の大きさのおおよその対比してみました。(下写真)
左側が最大の満月「スーパームーン」、右はまだ世間の認知度、盛り上がり共にいまひとつの最小の満月「マイクロムーン」です。
月は地球の周りを一周する間に満ち欠けとは別に、その見かけ上の大きさも周期的に行ったり来たり変化しています。たまたま地球に”一番近い場所のあたり”に月があった時に、満ち欠けの規則性が重って満月になった場合にスーパームーンとなります。
両者を並べてみるとそのサイズ感が随分と違うということがトリビア的?ではないでしょうか。
最小の満月と比べると、スーパームーンは見かけ上の直径でだいたい14%、明るさで約3割増にもなるようです。
すごいんじゃないの?と思うかもしれませんが、あくまで最小の満月からの比較での最大値ですから、平均的な満月の大きさからは大体その半分の7%程度でしかありません。さらに前日に見ていた月が急に大きく見えるようになるわけでもありません。
実際には最大と最小の満月2つが並んでいればその差が分かるという程度のものだと思いますが、この”スーパー感”を、パッと見て実感するためにはかなりの視力と鋭い感性を兼ね備えている必要があるでしょう。
夢のない話ですが、普通の人には、”今日はスーパームーン”という思い込みや地平線の近くで月が大きく見えるような錯覚の方が上回って感じられるかもしれません。。。
それでもいいじゃないですか、スーパームーン。
満月を愛でるという古来からの習慣が次第に薄れゆく現代において、”お月見のかたち”にはいろいろな選択肢があった方がいいのは言うまでもありません。
次の”本格的”なスーパームーンは1年以上先になる2019年2月19日だそうです。次回も明るくてきれいな月を拝めるといいですね。。。
また、今月1月31日には”準スーパームーン”、かつ同じ月内での2回目の満月、”ブルームーン”が皆既月食(別名ブラッドムーン)を起こすというレアイベントが控えています。
つまり、「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」で約35年ぶりの出来事だそうです。
>皆既月食(2018.1.31)
ところで、人気のいまひとつ出ない「マイクロムーン」ではありますが、本年度7月28日に見られるということですから、こちらも方もお忘れなく。。。
> スーパームーン(Wikipedia)へ
©http://www.haioi.com/
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文責:あいむ動物病院西船橋
病院長 井田 龍
謹賀新年2018
謹賀新年
年も改まり、戌年となりました。旧年中はたくさんの飼い主様と地域の皆様に支えられ、多くの動物達とのかかわりを持たせていただくことができました。
十二支の中で動物病院にとっては最もなじみの深い動物です。残念ながら干支には猫が参加しておりません。(虎はあるというご意見もあるかと思いますが。。。)
つまり、戌年は動物病院にとって12年に1回の節目となる年です。
本年度もたくさんの病気の犬(猫も)達が当院を訪れると思いますが、常に初心を忘れずに地域に必要とされる動物病院であるように、スタッフ一同努力を重ねてまいりたいと思います。。。
写真の美しくかわいらしいアレンジメントは当院の患者様より頂戴したものです。
この場を借りて厚く御礼申し上げます。
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あいむ動物病院 西船橋
病院長 井田 龍
マネジャー 植草 悠生
スタッフ一同
#猫バンバン
連日の寒さが身に染みますね。
冬季に車に乗ろうとドアノブに手をかけた途端、車の下から猫が慌てて飛び出して来てビックリ。ドライバーならしばしば目にする光景だと思います。
今年も「猫バンバン」の季節がやってまいりました。
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ところでこの「猫バンバン」という表現は”エンジン始動の前にボンネットを叩いて猫をエンジンルームから追い出すこと”です。その意味は車体の物陰に潜んでいる猫に”危ないぞ”というサインを送って、危険から遠ざけましょうということに他なりません。
この「猫バンバン」は日本を代表する自動車メーカーの日産自動車が3年ほど前から提唱している啓発プロジェクト名であり、そこでは車の始動の際にエンジンルーム内での巻き込みによる痛ましい事故から猫を守るための行動をドライバーに呼びかけています。
日産自動車のこうした働きかけは人々の関心を引くという意味でも、それが印象に残りやすい上に分かりやすいという意味でも秀逸です。
Twitterのハッシュタグ「#猫バンバン」やFacebookのタイムラインを通じてネットメディア等に拡散しておりますので、猫好きの皆様にはすでにご存知の方も多いのではないでしょうか。
もし、まだご存じない方、ご興味のある方はぜひ下記リンクを訪れてみてください。
ドライバーの皆様。狭い日本そんなに急いでどこへ行く。出発前には「猫バンバン」ですよ。
悲惨な猫の犠牲が少しでも減るように、より多くのドライバーの方々へ広く知れわたればと思います。
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>「のるまえに猫バンバン」
(日産自動車のサイトへリンクします)
千葉県船橋市西船1-19-28 朝日ビル1階
無料駐車場14台
駐輪場9台併設
病院前に6台と隣接する8台の駐車スペースがあります
